夢を叶えるための残酷なまでにリアルな処方箋
この記事を書いたライター
藤原 彩花 (ふじわら あやか)
年齢: 28歳 職業: フリーランスライター
「夢」を実現するための「金」の稼ぎ方、使い方
「お金の話なんて、はしたない」 そう教えられて育った私たち日本人。でも、目を背けてはいけない現実は、お金が尽きると夢も尽きること。これは紛れもない真実です。西野亮廣さんの最新刊『夢と金』は、そんな私たちに冷水を浴びせかけるような、残酷なまでにリアルな「お金」の教科書です。
この本は、2023年4月に幻冬舎から出版されたビジネス書で、キングコング西野亮廣さんが自身の経験を元に、「夢」と「お金」の関係について赤裸々に綴っています。クラウドファンディングやNFTといった最新技術を駆使した独自の資金調達方法から、顧客をファンに変え、高単価の商品を販売する戦略まで、成功するための具体的な方法論が惜しみなく披露されています。
西野亮廣の言葉に隠された「優しさ」
正直に言うと、この本を読み始めた頃は、西野さんの歯に衣着せぬ物言いに少し抵抗を感じました。でも、ページをめくるごとに、彼の言葉の奥底に眠る「優しい眼差し」に気づき始めたんです。それは、夢を諦めたくない人、大切な人を守りたい人への、温かいエールのように感じられました。
お金の知識不足が招く悲劇 ― 知床観光船沈没事故からの教訓
特に印象的だったのは、「知床観光船沈没事故」を例に挙げ、お金の知識不足が人の命に関わる可能性を指摘している部分です。衝撃的な内容でしたが、同時に、お金について真剣に考え、学ぶことの重要性を改めて認識させられました。「知らないことは罪ではない。知ろうとしないことが大罪だ」という言葉は、心に深く突き刺さりました。
また、「不便益」という考え方も、とても興味深かったです。私たちは、つい便利で快適なものを求めてしまいがちですが、不便さの中にこそ、コミュニケーションや成長の芽が隠されているという視点には、ハッとさせられました。たとえば、西野さんがスペインで体験した「山奥のシードル工場」の話は、不便益の素晴らしさを実感させてくれるエピソードでした。
心に刺さる西野亮廣の金言集
印象的なフレーズをいくつか引用すると…
- 「高価格帯の商品をなくしてしまうと、待っているのは、『お金に余裕がない人からお金をとる世界』だ。」
- 「お金は、『お金を上手に使ってくれる人』のところに集まる。」
- 「『機能』を追い求めた先に『プレミアム』はあるけど、『ラグジュアリー』はないよ。」
- 「人類誕生から今に至るまで、不便のないところに、コミュニケーションは生まれていない。」
これらの言葉は、私たちが当たり前のように信じ込んでいる価値観を揺さぶり、新しい視点を与えてくれます。
夢を諦めたくないすべての人へ ― この本が、未来への羅針盤になる
『夢と金』は、夢を叶えたいと願うすべての人、そして、大切な人を守りたいと願うすべての人に読んでほしい一冊です。起業家、クリエイター、ビジネスパーソンはもちろんのこと、学生や主婦の方にもおすすめです。
お金の呪縛から解放され、優しい世界を創造するために
この本を読めば、お金に対する考え方、そして、人生に対する考え方が大きく変わるかもしれません。