心の荷物をそっと下ろす旅へ
この記事を書いたライター
藤原 彩花 (ふじわら あやか)
年齢: 28歳 職業: フリーランスライター
開封厳禁!? ページを開けば最後、あなたを離さない「執着」解放の書
「この本の最初のページを開いた瞬間、私はもう手放せなくなりました。」
なんて、ありきたりな書き出しで始めてしまうのは、この本がありきたりな自己啓発本ではないからです。この本は、あなたの心の奥深くに眠る「執着」という名の重たい荷物を、そっと優しく下ろす手伝いをしてくれる、そんな一冊なのです。
私は藤原彩花、フリーランスライターとして、日々様々なジャンルの本に触れています。中でも新刊レビューは私の得意分野。トレンドに敏感な私が、今回心を奪われた一冊をご紹介します。
2万人の心を救った! 心理カウンセラーが明かす「手放し」の極意
今回ご紹介するのは、根本裕幸氏の『「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本』(Gakken、2020年3月発行)です。この本は、心理カウンセラーである著者が、2万人以上の相談者と向き合ってきた経験をもとに、「執着」を手放すための具体的な方法を、優しく、そして力強く語りかけてくれる一冊です。
気づいてた? あなたを苦しめる「執着」の正体 〜 恋愛、仕事、過去...見えない鎖を断ち切れ!
「失恋から立ち直れない」「仕事がうまくいかない」「人間関係に疲れてしまった」...。私たちは日々、様々な悩みを抱えながら生きています。この本では、それらの悩みの多くが「執着」という心の歪みから生まれていると指摘しています。恋愛、お金、仕事、人間関係など、あらゆるものに「執着」は潜んでいるのです。そして、その「執着」が、私たちから自由を奪い、幸せを遠ざけているのだと。
告白:私も囚われていた! 過去の栄光にすがる自分との決別
この本を読み進めるうちに、私自身も「執着」に囚われていたことに気づかされました。それは、過去の成功体験への執着です。以前、ある媒体で書いた記事が大きな反響を呼び、賞をいただいたことがありました。その成功体験が忘れられず、常に「あの記事以上のものを書かなければ」というプレッシャーに苛まれていたのです。この本で語られる「モニュメント」という概念は、まさに私の心の状態を言い表していました。
もう難しい理論は不要! 実践すれば心が軽くなる「手放しワーク」の魔法
この本の魅力は、何と言ってもその「実践性」です。難しい専門用語はほとんど使われず、誰にでも理解できる言葉で、具体的な方法が示されています。「自分軸ワーク」や「自己肯定感を上げるワーク」、「御恨み帳」、そして「感謝の手紙」など、すぐに試せるものばかり。まるで、隣で優しく励ましてくれるカウンセラーがいるような、そんな安心感を与えてくれます。
衝撃の「心のトイレ」!? ネガティブ感情をデトックスする「御恨み帳」とは
特に「御恨み帳」は、衝撃的でした。ネガティブな感情をひたすらノートに書き出すという、一見単純な方法ですが、これが驚くほど効果的なのです。
「怒りやイライラとどう向き合えばいいの?」の章で、著者はこう述べています。
「ズバリ言いま しょう。あ な た の日 の前 の 御 恨 み 帳、 そ れ は 「便器 」 です 。 ト イ レの あ の便 器 で す。そして、あなたが感じているその怒りはし そう、ウンコです。」
この表現には、思わず笑ってしまいました。でも、同時に深く納得したのです。溜め込んだ感情は、まさに「心の便秘」。それを出すための安全な場所、それが「御恨み帳」なのだと。
私も実際に「御恨み帳」を試してみました。過去の成功体験に執着する自分への怒り、プレッシャー、焦り...。最初は抵抗がありましたが、書き進めるうちに、心が軽くなっていくのを実感しました。そして、気づいたのです。「あの記事は、あの時の私だから書けたもの。今の私は、今の私にしか書けないものを書けばいい。」と。
こんなあなたに読んでほしい! 幸せを遠ざける「心の重荷」に気づいた人へ
この本は、以下のような方に特におすすめです。
- 過去の失恋や失敗を引きずっている人
- 人間関係に疲れ、心を閉ざしてしまっている人
- つい他人と比べてしまい、自信をなくしてしまう人
- 「〜ねばならない」という考えに縛られ、苦しんでいる人
- もっと自由に、自分らしく生きたいと願っている人
一言で言えば、「幸せになりたい」と願うすべての人に、手に取ってほしい一冊です。
心の断捨離、始めよう! 「執着」を手放し、軽やかに生きるための第一歩
『「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本』は、あなたの心に寄り添い、優しく背中を押してくれる、そんな力を持った本です。この本を読み終えた時、あなたの心はきっと、以前よりも軽やかになっているはずです。そして、新しい一歩を踏み出す勇気が、湧いてくることでしょう。
さあ、あなたもこの本を手に取り、心の荷物を下ろす旅に出かけてみませんか?