人生の転機に気づかせてくれる感動の物語

運転者の表紙画像

運転者

著者: 喜多川泰

発売日:

価格: ¥1,870

ISBN: 9784799324509

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この記事を書いたライター

藤原 彩花

藤原 彩花 (ふじわら あやか)

年齢: 28歳 職業: フリーランスライター

多様なジャンルの本を愛するフリーランスライターです。特に新刊のレビューを得意とし、トレンドに敏感で最新の話題作をいち早く紹介します。軽快で親しみやすい文体が特徴で、読者に身近な存在として人気です。彼女のレビューは、読書初心者にも理解しやすく、読みたくなるような魅力を持っています。

「人生、うまくいかないことばかり…」。そう感じているあなたへ。

今回は、喜多川泰さんの小説 「運転者 未来を変える過去からの使者」 を紹介します。

この本との出会いはまさに運命だったのかもしれません。読み進めるうちに、まるで作中の主人公のように、私も不思議なタクシー運転手に出会って、人生の舵を切ってもらったような、そんな感覚に包まれました。

あらすじ

主人公は、人生に行き詰まりを感じている保険営業マン・岡田修一。
大量の契約解除、反抗期の娘、そして実家の問題…悩みが尽きない日々を送る修一の前に、謎のタクシー運転手・御任瀬卓志が現れます。

修一は運転手の不思議な力に導かれ、様々な場所へと連れて行かれ、彼との会話を通して、自身の過去と向き合い、未来への希望を見出していく…という物語です。

運はポイントカード?! 心に残った「運」についての教え

この本は、単なる感動的な物語ではありません。修一と運転手の会話を通して、 「運」 「努力」 「プラス思考」 といった、私たちの人生にとって重要なテーマについて深く考えさせられます。

特に印象的だったのは、 「運はポイントカードと同じ」 という比喩です。日々の小さな「上機嫌」が運のポイントとなり、それが積み重なることで、人生を変えるような大きなチャンスを引き寄せることができる。そんな運転手の言葉は、私の心に深く響きました。

逃してしまったチャンス、そして…

逃してしまったチャンス、そして…

修一がカフェで出会った作家とのエピソードも印象的です。「上機嫌」でいれば、その出会いが人生を変える転機になったかもしれない。しかし、修一は不機嫌だったために、そのチャンスを逃してしまう。この場面は、私たちが日常でどれだけ多くの「幸せの種」を見過ごしているのかを痛感させられました。

親から子へ受け継がれるもの

修一の父親・政史と祖父・良蔵の物語も心に残りました。戦争という過酷な時代を生きた彼らの生き様は、今の私たちがいかに恵まれた環境にいるのかを気づかせてくれます。そして、彼らが残してくれた「運」のバトンを、次の世代へと繋いでいくことが、私たちの使命なのだと感じました。

「努力は必ず報われる」のか?

「努力の結果がどういうところに表れるのか、ということを、まだよくわかっていないようです ね」

修一は自身の努力が報われないと嘆きますが、運転手は、努力の成果は時として、自分ではなく、周りの人や未来の世代に現れることもあると諭します。この言葉は、私たちが「努力」の意味を改めて問い直すきっかけを与えてくれます。

こんな人におすすめ!

この本は、人生の転機に迷っている人、努力が報われないと感じている人、そして、未来への希望を失いかけているすべての人におすすめです。 読み終えた後には、きっと、小さな「上機嫌」を積み重ねながら、自分の人生を歩んでいこうという勇気が湧いてくるはずです。

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