もう一度、愛犬を抱きしめたくなる。絵本「リクはよわくない」が伝える命の重さ。
この記事を書いたライター
藤原 彩花 (ふじわら あやか)
年齢: 28歳 職業: フリーランスライター
【涙腺崩壊】愛犬家なら共感必至!坂上忍さんの実話『リクはよわくない。』に心揺さぶられた話
「リクはもうすぐてんごくへいくんだよ」動物病院の白い壁が、父の言葉の重みを増幅させる。涙で視界がぼやける中、懸命に息をする愛犬の姿が焼き付いた。絵本「リクはよわくない」は、小さな命との出会いと別れを通して、命の尊さを教えてくれる物語だ。
弱くても、懸命に生きる。リクと少年の愛おしい日々。
物語は、坂上少年が、体が弱く痩せっぽちな子犬リクを家族に迎えるところから始まります。リクは、他の犬たちのように元気に走り回ることはできませんでしたが、坂上少年は献身的にリクの世話をしていました。しかし、リクの病気は深刻で、やがて虹の橋を渡ることになります。
リクが教えてくれた、生きる喜び。忘れられない夏の日の奇跡。
体が弱く、散歩もままならないリク。それでも少年は毎日リクを励まし、一緒に遊ぼうと努力する。特に印象的なのは、家族旅行で海へ行った時のこと。いつもは散歩を嫌がるリクが、その日は楽しそうに砂浜を歩くのだ。
「リク、またいっしょにりょこうにこようね」
この時の少年の言葉が、叶うことのなかった約束となってしまったことが、読者である私の胸を締め付ける。
かけがえのない命と、別れのその先に残るもの。
リクは、いのちのよろこびと、こわさをおしえてくれたね
リクの死後、父親が坂上少年にかける言葉だ。動物との別れは、想像以上に辛く、悲しいもの。しかし、彼らと過ごした日々は、かけがえのない宝物になる。この絵本は、そんな大切なことを教えてくれる。
くっきー!さんの挿絵が涙を誘う。
くっきー!さんによる温かみのある挿絵も、物語の感動をより一層引き立てています。
あなたと大切な誰かに届いてほしい。命の尊さを伝える感動作
シンプルながらも力強いメッセージが込められた「リクはよわくない」。動物を飼っている人、これから飼いたいと思っている人、そして、大切な存在との別れを経験したすべての人に読んでほしい。命の儚さ、愛おしさ、そして、その尊さを改めて感じることができるだろう。子供から大人まで、幅広い世代の方に手にとっていただきたい一冊です。