知的好奇心を刺激する傑作ミステリー

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硝子のハンマー 「防犯探偵・榎本」シリーズ

著者: 貴志 祐介

発売日:

価格: ¥1,100

ISBN: 978-4041979075

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この記事を書いたライター

小林 一郎

小林 一郎 (こばやし いちろう)

年齢: 68歳 職業: 定年退職者

定年退職後に時間ができたことをきっかけに読書に目覚めた元会社員です。長年の人生経験をもとに、ノンフィクションや歴史小説、自己啓発書などを中心にレビューを行います。彼のレビューは、人生の知恵や教訓を交えた深い洞察が特徴で、幅広い年齢層の読者に支持されています。

六本木の一室で起きた、密室殺人の謎

この本は2004年に出版されたミステリー小説で、「防犯探偵・榎本」シリーズの第一作目だ。舞台は東京・六本木にあるオフィスビル。年末の休日、社長が密室状態の社長室で撲殺される事件が発生する。容疑者は、唯一カメラに映らずに社長室へ出入りできた専務。だが、専務は犯行を否認し、事件は謎に包まれるんだ。

予想外の犯人とトリックに、知的好奇心が刺激される!

事件を担当することになった弁護士の青砥純子は、先輩弁護士の紹介で、防犯コンサルタントの榎本径に調査を依頼する。榎本は、鋭い観察眼と論理的な思考、そして驚くべき行動力で、密室の謎を解き明かしていくんだが、その過程が実にスリリングで、読んでいてワクワクするね。

「Forewarned is forearmed」 緻密な調査と大胆な推理が織りなす、知的なゲーム

特に感心したのは、榎本の徹底した調査ぶりだ。「Forewarned is forearmed」(あらかじめ知るは備えなり)という彼のモットーの通り、現場をくまなく調べ、関係者への聞き込みを丹念に行い、膨大な情報をかき集めて分析する。その上で、大胆な仮説を立て、緻密な論理で検証していく。まるで、チェスの名人が一手一手を熟慮 しながら、勝利へと駒を進めていくような、知的な興奮を味わえるんだよ。

日常に潜む盲点。あなたは犯人のトリックを見破れるか?

印象に残った場面がある。榎本が青砥に、こう告げるんだ。「密室を解く鍵は、フロア全体と監視カメラの方にあるのかも しれません」。一見すると何の変哲もない場所にも、犯人が残したヒントが隠されている。それを、見つけるか見逃すかで、真実にたどり着けるかどうかが決まるんだ。まさに、この言葉こそが、この小説全体を貫くテーマと言えるだろうね。

ミステリー好き必読! 読後感爽快、傑作ミステリー!

この本は、ミステリー好きはもちろん、論理的な思考を鍛えたい人、あるいは防犯に興味がある人にもおすすめだ。緻密なプロットと、個性的な登場人物、そして驚きのトリック。読後には、爽快感と深い余韻が味わえる、傑作ミステリーだと言 わざるを得ないね。

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